診療内容(心臓血管外科)

1.神奈川県立こども医療センターに赴任するにあたって

心臓血管外科部長 橘 剛

 この度、神奈川県立こども医療センター心臓血管外科科長公募にあたって2018年9月から採用になりましたため、ご挨拶させていただきます。
 私は1996年に北海道大学医学部を卒業し、北海道大学医学部循環器外科教室に入局しました。修練施設をローテーションの後、1999年に帰局し臨床と研究と並行して進め、2003年に博士号を取得しました。この間に先天性領域における集中治療の実績を評価され先天性心疾患の外科治療を志すに至りました。上司は皆、Royal children’s hospitalに留学した経緯もあり麻生先生の元での留学を考慮されていましたが、縁ありまして2005年から、福岡市立こども病院に国内留学し2006年はスタッフ・チーフレジデントとして勤務しました。2007年に帰局し2008年からは先天性心疾患の第一執刀医として2018年8月まで活動しました。2014年からは北海道立子ども総合医療・療育センターの診療も合わせて北海道の先天性心疾患の約9割の診療に携わり、未熟児動脈管結紮で北見市、釧路市、帯広市に出張診療を行うなど地域医療に尽力し、新生児から高齢者まで合わせて12年間で2000件近くの先天性心疾患手術に執刀、指導的助手として関わってきました。
 神奈川県立こども医療センターは自身の留学は叶いませんでしたが後輩を留学させる事ができました。そのため、世界トップの胎児診断と優れた新生児治療の事、小児科、看護は大変素晴らしい事を聞き及んでおりました。伝統ある心臓血管外科は麻生先生の元、本邦でトップクラスの手術件数を誇っており、自分の臨床の力をより大きな場で発揮する事を夢見ていた私は公募に応じたいと強く願うようになりました。採用された事は至上の喜びでしたが、北海道の医療レベルを下げる訳にはいきません。私には誇りに思い信頼できる三人の後輩がおります。一人に北海道大学を、一人に道立小児センターを任せ、もう一人をマレーシアから神奈川に呼び戻し新体制を組みました。さらに東京女子医大からスタッフを招聘して現体制となり、三施設とも順調に立ち上げる事が出来ております。  

これからの診療にあたっての抱負は以下のように考えております。

  1. 患者・ご家族に寄り添った診療を展開いたします。
    私のいた北海道大学医学部循環器・呼吸器外科は常に患者中心の医療を展開する事を目標とし達成してきました。患者様は一人一人病態が異なり、一人一人の病態に対し深い考察と方法の構築が必要なのは明らかです。それぞれに対し詳細な説明を繰り返し行う必要があります。我々のこれまでの経験の蓄積と、それぞれに向き合う姿勢をもって神奈川県立こども医療センターのこれまでの診療を継承し発展させます。私は赴任してすぐに我々の病棟が大好きになりました。彼らは患者様に常に寄り添い、常に患者様の側に立って物事を考え、そこに私の理想があると思えたからです。ファシリティドッグの存在はあたかも我々の精神の有り様を示してくれているように思えます。Run for kidsという言葉は我々の気持ちそのものなのです。
  2. 患者様がいつでも安心して受診・入退院できる体制を確保します。
    調子を崩した時、緊急の際に受診、連絡をいただき必要に応じて必ず病床が確保できるようにしたいと思います。これは当然、心臓血管外科領域に限らず診療科全てがそうなるよう院内全体で努力すべき事であり、そのためのシステム構築に力を尽くす事が出来たらと考えております。今まで麻生先生が行われてきた多大な社会貢献の一部は力不足で継続出来ない部分があります。しかし必ず近い将来に再開します。広く社会に先天性心疾患の知識が根付く事は患者様の安全に繋がると考えているため、そのような社会活動を積極的に支える事は本望であります。
  3. 手術に際しては世界トップレベルの治療を展開し、社会に貢献したいと思います。
    外科治療はチーム力が最も大切です。他科やパラメディカルと信頼関係を築き、お互いをどこまでも高め合う関係性を作ります。後輩と共に全員で技術力・学術的知識を高めます。それがチーム力です。より高い安全性が確保されます。私はこれまで手術の質の向上のために不必要と思う全てをそぎ落としてきました。しかしこれからは、より高みを目指すため、不必要と思われる事も全て生かしたいと思っています。血圧が1下がれば1下がる理由があり、心拍数が1上がれば1上がる理由があると、どんな反応も考察理由づけして周術期管理をしてきましたが、その姿勢を貫きたいと思います。どんなに細い橋でも真ん中を通れば安全に渡れるとも考えてきました。常にピンポイントで最善の治療を行うべく考え続けたいと思います。それが世界トップレベルの診療に繋がると信じております。
 最後に、私の先天性心疾患診療の最大の恩師である福岡市立こども病院の角秀秋先生、実績の無い私を登用し、ご指導していただきました北海道大学医学部循環器・呼吸器外科の松居喜郎教授に深い感謝の意を捧げさせていただきます。後輩共々、社会のため尽力したいと思います。これからどうぞよろしくお願いいたします。
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2.統計

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循環器内科・心臓血管外科

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